ふるさと納税は地方活性化の切り札か単なる麻薬か

今年も無事確定申告の季節が終わりましたね。そして確定申告といえば”ふるさと納税”

自分の故郷(ふるさと)への思いを納税という形で恩を返し、そのかわりに返礼品がもらえるというものですね。しかし最近では、制度の趣旨がだいぶ変わってきて、なんだか、税金を納めるというより、税額控除でお得になるから、この商品がお得に手に入ってラッキー!みたいな感じですよね。

納税額をふやすために取り組んでいた自治体が増え、今では、納税額を減らさないために、ふるさと納税をやらざるを得ない!というところまで来ちゃいそうです。

地方をダメにする ふるさと納税の不都合な真実
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/6386

 地方にふるさと納税が行われると、自治体はその何割かを使って返礼品として指定していた地元産品を地元企業・生産者から買い取る。

当然これは、地方産品の市場取引が拡大しているわけではない。税制を活用した、自治体による買い取りに過ぎない。生産者に売り上げは立つが、納税者はほぼタダだから喜んでいるだけだ。消費者が直接対価を支払わないため、既存顧客に対するブランド価値を棄損することにつながる。

・消費者はお得に商品が手に入る
・自治体は納税額が増える
・地方の企業は商品を自治体に買い上げてもらえる

という三方良しのような制度ですが、たしかに上記の記事のように、そもそも販売されている商品がプレゼントのような形で提供されるのは、その商品の価値を下げてしまう危険がありますね。端から有名な商品、例えば神戸牛を提供しても、商品のプロモーション効果は低そうですし、かえってマイナスかもしれません。

niku

一方で、これから地方の名産品として売り出していきたい商品にはチャンスがあるかもしれませなん。ただ、1回ふるさと納税で取り上げてもらっても、その後の直接購買に結びつかないと、やはり意味が無いかもしれないです。

ふるさと納税で地方名産品を育てる。そのためには、名産品のそれ以外のプロモーションも合わせて準備しておいて、ふるさと納税で気に入ってくれた消費者がいかにリピートしてくれるか!これがふるさと納税が成功か否かの判定ポイントになりそうですね。